消防車のポンプの主な故障と原因

2019年5月23日

機関員 消防車 真空ポンプ

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消防車のポンプの主な故障と原因



 消防車のポンプにおいて主な故障と,その原因を考えられる範囲で挙げてみました。

 参考にしてください。
 

1 揚水不能



真空ができない


●エンジン回転速度不良

●真空ポンプ及び周辺の故障

逆止弁・止水弁の機能不良
自動放口閉塞弁の機能不良
吸水配管系統の結合部の緩み,亀裂
真空ポンプ自動停止装置の不良

真空ポンプ・クラッチの入れ忘れ
真空ポンプ・クラッチが滑る
真空ポンプ内部の摩耗・破損
真空ポンプオイルの不足


●吸水管パッキンの漏気
反対側吸口コックの閉じ忘れ,機能不良
吸管ストレーナーが水面上に出ている

ポンプグランドパッキン不良
吸水管,各パッキン不良,接合部の緩み
 
●ドレンコックの不良による漏気
ポンプドレンコックの機能不良・閉じ忘れ
吸水管系ドレンコックの機能不良・閉じ忘れ



真空ができる


●吸い込みの落差が高すぎる
●吸管内部のゴム剥離,吸管のつぶれ
●吸管,ストレーナー,ポンプなどの異物つまり
●ポンプ内部の破損


2 揚水できるが放口コックを開くと落水する


吸水側からの少量の侵入
自動放口閉塞弁の不良
吸管内に空気のたまりがある


3 水量の不足(放水圧力が低い)


ポンプ本体及び吸水系統の故障



●ポンプ本体の故障
ポンプ内部の破損
インペラー等への異物つまり
インペラーの摩耗,腐食

●エンジン不調
高速回転が得られない

 
●吸水系統からの漏気

ドレンコックの不良
グランドパッキンの不良
ポンプ各部,配管締め付け不良
吸管結合部のゆるみ,パッキンの不良
吸管の破損,吸管の変形

吸管,ストレーナー等への異物つまり


●その他
キャビテーションの発生
ホースの破断
ノズル口径が大きい
放水口数が多い
消火栓の場合,水量が少ない


4 騒音,振動の発生



ポンプ配管等取付け部の不良
キャビテーションの発生
サージングの発生

ポンプと原動機の連結部の不良
回転部のつり合い不良
軸受けの摩耗,損傷

 

5 過熱



●グランドパッキン部の発熱
締め過ぎ
片締め


●軸受け部の発熱
取付け部の不良
給油脂不足
潤滑油の劣化
潤滑油過多

●伝動装置の温度上昇
潤滑油の不足又は過多
潤滑油の劣化,潤滑不良
冷却不良
原動機の振動

●原動機の温度上昇(オーバーヒート)
過負荷運転
冷却不良(冷却水不足,ファンベルトのすべり)