消防車のポンプの主な故障と原因
消防車のポンプにおいて主な故障と,その原因を考えられる範囲で挙げてみました。
参考にしてください。
1 揚水不能
真空ができない
●エンジン回転速度不良
●真空ポンプ及び周辺の故障
逆止弁・止水弁の機能不良
自動放口閉塞弁の機能不良
吸水配管系統の結合部の緩み,亀裂
真空ポンプ自動停止装置の不良
真空ポンプ・クラッチの入れ忘れ
真空ポンプ・クラッチが滑る
真空ポンプ内部の摩耗・破損
真空ポンプオイルの不足
●吸水管パッキンの漏気
反対側吸口コックの閉じ忘れ,機能不良
吸管ストレーナーが水面上に出ている
ポンプグランドパッキン不良
吸水管,各パッキン不良,接合部の緩み
●ドレンコックの不良による漏気
ポンプドレンコックの機能不良・閉じ忘れ
吸水管系ドレンコックの機能不良・閉じ忘れ
真空ができる
●吸い込みの落差が高すぎる
●吸管内部のゴム剥離,吸管のつぶれ
●吸管,ストレーナー,ポンプなどの異物つまり
●ポンプ内部の破損
2 揚水できるが放口コックを開くと落水する
吸水側からの少量の侵入
自動放口閉塞弁の不良
吸管内に空気のたまりがある
3 水量の不足(放水圧力が低い)
ポンプ本体及び吸水系統の故障
●ポンプ本体の故障
ポンプ内部の破損
インペラー等への異物つまり
インペラーの摩耗,腐食
●エンジン不調
高速回転が得られない
●吸水系統からの漏気
ドレンコックの不良
グランドパッキンの不良
ポンプ各部,配管締め付け不良
吸管結合部のゆるみ,パッキンの不良
吸管の破損,吸管の変形
吸管,ストレーナー等への異物つまり
●その他
キャビテーションの発生
ホースの破断
ノズル口径が大きい
放水口数が多い
消火栓の場合,水量が少ない
4 騒音,振動の発生
ポンプ配管等取付け部の不良
キャビテーションの発生
サージングの発生
ポンプと原動機の連結部の不良
回転部のつり合い不良
軸受けの摩耗,損傷
5 過熱
●グランドパッキン部の発熱
締め過ぎ
片締め
●軸受け部の発熱
取付け部の不良
給油脂不足
潤滑油の劣化
潤滑油過多
●伝動装置の温度上昇
潤滑油の不足又は過多
潤滑油の劣化,潤滑不良
冷却不良
原動機の振動
●原動機の温度上昇(オーバーヒート)
過負荷運転
冷却不良(冷却水不足,ファンベルトのすべり)