真空が漏れる
消防車で起きる多いトラブルの一つに真空漏れがあります。
こんなときに,どうすればいいかわかりますか?
最近の消防車はタッチパネルで真空ポンプが操作できたりと,昔に比べて進化しています。
しかし,基本的な内部構造は以前と殆ど変っていません。
職人みたいな機関員も退職して機械に詳しい人が減ったと思います。
真空が漏れたときの一般的な対処方法をまとめてみましたので,トラブル時の参考にしてください。
消防車に搭載されているポンプは,何もしなければ最初から自分で水を吸い上げることができません。真空ポンプによってポンプケーシング内を真空状態にして水を呼び込みます。
この時に,真空がケーシング内に保持されない現象を真空漏れといいます。
真空漏れには次のような現象があります。
①真空になるが真空ポンプの運転を止めると急激に真空が抜けてしまう。
②急激には抜けないがゆっくりと抜けていく。
②急激には抜けないがゆっくりと抜けていく。
③真空にならない。
①真空になるが真空ポンプの運転を止めると急激に真空が抜けてしまう。
真空になるが真空ポンプの運転を止めると急激に真空が抜けてしまう場合は,止水弁側のチャッキバルブの異常が考えられます。
チャッキバルブのキャップをはずしてください。
バルブに異物がかみこんでいないか,パッキンがへたっていないか確認してください。
②急激には抜けないがゆっくりと抜けていく。
急激には抜けないがゆっくりと抜けていく場合は,自動放口閉塞弁(逆流防止弁)やグランドパッキンの異常が考えられます。
ポンプグリスを補給して,症状が止まる様であればグランドからの漏れが考えられます。
グランドから漏れる場合はグランドが少し硬くなるまで増し締めしてください。増し締めは数回に分けて徐々に行います。1回の増し締め量は,1/4回転程度が適当で締め過ぎに注意しましょう。
③真空にならない
真空にならない場合は自動放口閉塞弁(逆流防止弁)や止水弁の作動不良が考えられます。
自動放口閉塞弁が原因の場合は,放水口を一ヶ所だけ開き放口を手でふさいで真空操作を行ないます。
もし自動放口閉塞弁(逆流防止弁)から漏れている場合,手が放口に吸い付きます。
止水弁の場合は,真空操作を行なって止水弁上部にある突起が下がるかどうかを見てください。
もし下がらない場合は,ダイヤフラムの作動不良で真空の回路が開かれていないため,真空になりません。
さいごに
以上の個人ができる範囲の対策をしても,真空が漏れる場合はメーカーに連絡してください。