瞳孔の観察について
さて,今このサイトを見ているあなたに質問です。
瞳孔径は,光を当てた状態の大きさでしょうか?
それとも光を当てていない状態の大きさでしょうか?
正解は,瞳孔径はペンライトなどの光を当てる前の室内の明かりの状態で測定します。
そもそも,瞳孔は明るいところでは縮瞳し,暗いところでは瞳孔を大きくして目の中に入る光の量を調節しています。
これは,脳神経や交感神経系が瞳孔の縮瞳や散瞳(散大)に関わっているためです。脳に異常時が起きた場合には,瞳孔に兆候が表れることがあります。その変化を見逃さないためにも,正しい方法で瞳孔の観察を行うことがとても大切です。
瞳孔の正常範囲
正常な瞳孔は一般的に2.5mm~4.0mmの円形で,左右対称です。
対光反射の観察・瞳孔測定の方法
瞳孔を観察するときのポイントは,サイズだけではなく形や瞳孔左右不同の有無,対光反射の有無も一緒に観察します。また,瞳孔径の測定は室内の明かりの状態で測定します。
瞳孔径のサイズを測定し,左右の大きさを確認してから,ペンライトで片目ずつ光を当てて対光反射を確認していきます。
瞳孔径のサイズを測定し,左右の大きさを確認してから,ペンライトで片目ずつ光を当てて対光反射を確認していきます。
対光反射を測定する場合は,いきなり光を眼に当てず,目の外側から徐々に光を当てていきます。光を当てて迅速に縮瞳すれば,正常な状態です。
対光反射の有無と速さも観察してください。
瞳孔不同や偏視など眼から得られる脳の情報はたくさんあります。瞳孔の異常は緊急を要する場合もあるため,瞳孔の正常な状態や観察方法を知っておくことはとても重要です。
観察した結果は,例えば「瞳孔径両側3mm,対光反射あり。」など自信を持って救急隊長に言ってください。