救助大会について
日本全国で活躍する救助隊の持つ技術力の高さは,海外からも評価されています。この救助技術の向上を目的として,開催されているのが「全国消防救助技術大会」です。
全国消防救助技術大会で行う訓練は,陸上の部と水上の部に分かれています。
昭和47年から毎年,全国消防救助技術大会が開催されています。
主催は一般財団法人全国消防協会です。
この大会の目的は,救助技術の高度化に必要な基本的要素を練磨することを通じて,消防救助活動に不可欠な体力,精神力,技術力を養うとともに,全国の消防救助隊員が一堂に会し,競い,学ぶことを通じて,他の模範となる消防救助隊員を育成し,全国市民の消防に寄せる期待に力強く応えることです。
そして,大会を通じて広く全国の市民に,消防の技術の高さ,力強さ,優しさをアピールするとともに,常に市民の目線に立って大会内容を研究し,全国大会を未来志向の大会とすることを目標としています。
燃えるような熱い男
消防士の中には,消防や救助大会に対して熱い思いがあり,消防のことが大好きな人が多いです。
これまで私は,燃えるような熱い思いのある男を何人か見てきました。
あなたの周りにも熱い男いませんか?
そのような方々は,モチベーションが非常に高く,自費で資格取得したり講習を受講したり意欲的で積極性もあって,プライベートも惜しみなく消防の勉強をされている人も多いです。
立派だと思います。
しかし,全ての消防士がモチベーションの高い熱い男ばかりではありません。
やる気がないわけではありません。
当然,仕事に必要なことは勉強します,訓練もします。
「全国消防救助技術大会」というものが毎年開催されています。
救助方法のスピードや正確性を競う大会です。
ただ,これに対する訓練のやり方について消防本部によって取り組み方が違いますし,上司によって考え方も違います。
「全署員で出場選手をサポートしよう!応援しよう!」
例えば,地区大会が休みの日で,応援に行かなかったら
「なぜ応援に行かないのか,,,」
と言われる,,,。
ただ,モチベーションが高いのは立派ですが,それを後輩や同僚に押し付けるのは違うのではないかなと。
私個人的な意見ですが,特に,私も含めて高校卒業し,すぐに就職し消防一筋でやってきた人にこのような傾向のある人が多いと思います。
逆に社会人経験のある人は,比較的考え方に柔軟性があるように感じます。
退職してから,現役時代のことを思い返すと別の角度から気づくことが多いと最近感じます。
救助大会や訓練に対する私の考え
一秒に泣き 一秒に笑う 負けて平気か 後悔するな
勝負,これは勝たなければならない。
「参加することに意義がある。」と言うが,負けて意義があるはずがない。
負けるのは嫌だ。惨めだ。嫌な思いをするために訓練しているわけではない。惨めな姿をみせるために訓練しているわけではない。
勝つためには,技術・体力・精神力が重要だ。それに加えて経験・チームワークというような要素も必要だと思う。
1 技術とは技のことで,救助大会に限らず,どんな仕事や現場活動でも,それなりの技術があると思う。
訓練に際して,進歩しよう,苦手な部分を克服しよう,悪い癖を矯正しようという心構えが必要である。
訓練を毎日やっているが,往々にして今までやったことの確認で復習にしか過ぎない。
復習では進歩がない。意味のない訓練はむしろ退歩である。
技術をマスターするには,意欲と反復練習する努力である。
指導者や先輩の指導助言も必要だが,自分自身の意欲が重要である。
ベテランになればなるほど,コンディションを整えることに頭がいって進歩しようという要素が少なくなる。これでは進歩がない。
2 体力とは,健康な肉体である。
健康な体は何よりの財産であり資本である。健康の時は健康の有難さを忘れがちになる。
息抜きも必要だが,自分の健康を過信して不摂生をしてメンバーから外されることがないよう各自が常に健康に留意すべきである。
3 精神力,これが一番重要だと思う。
ただ一生懸命にやるとか,頑張りますとか言うことは,誰でもできるわけで,精神力の大きな要素は安定して結果を出せることだと思う。喜怒哀楽で調子の浮き沈みが大きいのは精神力がないといえる。
勝っても驕らず,負けても落胆せず安定した精神力を鍛えて欲しい。
救助大会に向けて,周りのライバルと差をつけるなら,訓練せよ!!!