教える指導
採用間もない新人は,右も左もわからない状況です。しかし,この時期の新人は,先輩たちのように自分の力でどんどん仕事をするようになりたい,早く仕事を覚えたいという「やる気」はあります。この時期には,まずマニュアルに従って基礎的なことを習得することが重要です。つまり,仕事ができるように「教える指導」を実施します。
これは,3年目ぐらいの仕事に慣れてきた職員に対して,新しいことを習得させるときも同様ですが「教える指導」は指示・命令的になりがちです。しかし,言われたら言われたことだけするようでは効果は上がりません。
具体的に説明したいと思います。
1 準備する
・事前に何をするかを伝える・新人の緊張をときほぐす
・既にできること,知っていることを確認して,不足している知識を補う
2 手本を見せる
・先輩職員が実際にやって見せる・理解できていない様子があれば,繰り返し説明する
・面倒がらずに,懇切丁寧に始動する
3 実際にさせる
・新人に実際にやらせる・間違ったり,あいまいな部分を指導して,もう一度やらせる
・新人のレベルに無理がある場合は,今回はどこまでにするかを明確にして,次回までにできるようにさせる
4 結果を見る
・よくできている部分を具体的に褒める・できていない部分を明確にする
・完全に習得できるまで頑張れるように励ます
指導者側の心得
新人に指導する業務は,常日頃行っている業務としても,もう一度勉強して根拠まで確認していると,自信を持って指導できると思います。しかし,あまり長く「教える指導」ばかり続けていると,新人が自分で考える力がつかずに,「指示待ち人間」をつくるおそれがあります。
そこで,経験回数を積んでいくと,次の段階の指導方法「考えさせる指導」が必要になります。
考えさせる指導について