救急隊の接遇(説明・同意)について
救急業務でもっとも接遇コミュニケーションが必要な場面は,到着時及び観察と病院選定時だと思いますが,救急隊員にとって,現場で何度も傷病者に接触しますが,傷病者にとって救急車を呼ぶことは一生に一度あるかないようなことなので,接遇に気を付けましょう。
また,救急隊のトラブルの多くは,救急隊活動中の接遇もしくはインフォームドコンセントの不足や不良が原因で発生しているのが現状です。
傷病者もその家族も救急隊員を選ぶことができません。自分の知らない人に搬送されるわけですから,不安や心配もあります。早く信用してもらえれば,その後の活動がスムーズに運びますし,傷病者の情報を少しでも多くもらえば病院を正しく早く選定できることに繋がります。
1 傷病者への接遇・説明・同意
傷病者への接遇は「○○救急隊の○○です」と名乗ることから始まる。
可能な限りすべての行為を行う前に実施する。
実施者は状況聴取を除き,可能な限り救急救命士が行う。
専門用語をできるだけ使用しない
2 傷病者からの状況聴取
処置を中断することなく行う
○基本事項(5W1Hの要領で)
「何を(どこを)」
「何時から」
「何処で」
「誰が」
「何をしていて」
「どのようにして」
「どのようになった」
※特に「頭痛」や「胸痛」の有無は必須
○病歴等の聴取
目撃者の有無
症状
現病歴
アレルギー
投薬
既往症
掛かり付け病院
妊娠
最終飲食
※GUMBA(原因・訴え・飯・病気・アレルギー)
3 医療機関への連絡
意識レベル
バイタルサイン
受傷機転(高エネルギー事故か否か)
受傷部位
主訴
病歴・掛かり付け病院
現場で実施した処置
病院到着までの予想時間