消防士の仕事

2021年7月9日

消防士になる

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 消防の仕事は、市民の命と財産を守ることです。

 仕事の内容は警防(消火)、救急、救助、予防、通信と様々です。

 

 消防車に乗って火を消すイメージが強い消防の仕事ですが、救急車に乗った救急隊員もオレンジ色の服を着たレスキュー隊員もすべて消防士です。

 

 すべてに共通して言えるのは、あらゆる災害から地域住民の生命と財産を守ることで、消防の任務は、消防組織法第1条に定められています。

(消防の任務)

第一条 消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とする。

 

 よって危険な現場では一分一秒を争うこともあります。 決して、軽い気持ちで務まる仕事ではありませんが、その分やりがいも大きい職業です。

 

消防士の仕事内容

 部門別に消防の仕事を見ていきましょう。

 消防の仕事には、警防(消火)、救急、救助、予防、通信など様々な部門があります。

 その他の部門として空から消火・救助を行う航空隊、山での救助活動を行う山岳救助隊、水難事案に対応する水難救助隊など幅広い活動が求められています。 

 また、国内で大規模災害が起こった場合に派遣される緊急消防援助隊や 海外での大規模災害時に派遣される国際消防救助隊など、活動の場は各自治体を越えて多岐に渡ります。

 

警防(消火)

 警防業務は、火災が発生した時に消防車に乗り現場に向かい、消火にあたるというのが主な仕事です。

 消防士になると、初めはポンプ隊員として火災現場に行くことになります。レスキュー隊員や予防課や通信指令員を目指す場合であっても、最初の数年間は警防業務の経験を積む場合が多いです。

 

救急

 救急業務は、救急車に乗り傷病者の搬送を適切に行うことが仕事です。

 救急車には、基本的に隊長、機関員、隊員の3人の隊員が乗っており、救急救命士の資格を持った隊員が一人以上同乗している場合が多いです。

 

救助

 救助業務は、火災や事故が起きた時に、要救助者を助け出すのが主な仕事です。

 高度な知識と冷静な判断力、強靭な体力が求められます。 一般的にレスキュー隊と呼ばれ、オレンジの服を着ています。

 

通信

 通信業務は、119番の通報を受けて、出動等の指示を出すのが主な仕事です。

 焦りや不安を感じている通報者を落ち着かせて、素早く正確な情報を聞き出し、出動等の指令を出します。

 

予防

 予防業務は、建物の防火設備の確認・指導をして、災害を未然に防ぐとともに、地域住民への防災意識の啓発を図るのが主な仕事です。

 

航空隊

 空からの消火・救助を行います。令和3年4月1日現在の配備状況は全国で77機(46都道府県、56団体)、未配備県域は沖縄県です。

  

山岳救助隊

 山岳における遭難者の救助(山岳救助)にあたるレスキュー隊のことをいいます。

 活動の際には、各都道府県や市町村の消防防災航空隊の消防防災ヘリコプター(場合によっては都道府県警察航空隊)の支援を受けて活動しています。

 

水難救助隊   

 水難救助隊は、海や川など水のある場所で救助活動を行います。東京消防庁水難救助隊のエンブレムは、救助隊のセントバーナード犬のほかに、水難救助をあらわす浮き輪とイカリが描かれています。


緊急消防援助隊

 緊急消防援助隊は、平成7年(1995年)1月17日の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、国内で発生した地震等の大規模災害時における人命救助活動等をより効果的かつ迅速に実施できるように、全国の消防本部の協力を得て創設さました。

 大規模災害が発生した場合には、消防庁長官の求め又は指示により、全国から当該災害に対応するための消防部隊が被災地に集中的に出動し、人命救助等の消防活動を実施するシステムです。

 

国際消防救助隊

 国際消防救助隊(International Rescue Team of Japanese Fire-Service:略称IRT)は、昭和60年にメキシコやコロンビア等で大規模災害が相次いで発生したことをきっかけに、外務省から消防庁に対して被災国政府の援助要請がある場合の救助隊の派遣について意向打診があり、消防庁は、これに積極的に協力することとして、昭和61年4月に発足し、同年8月に、カメルーン共和国の有毒ガス噴出災害に対して初めての国際消防救助隊を派遣しました。

 国際消防救助隊は、被災国に愛の手をさしのべるという意味と英語の発音「アイアールティ」をかけて“愛ある手”という愛称で呼ばれています。